目次
リフトの上から始まるゲーム
おいら、あの頃スキー場に行くってだけでソワソワしてた。
リフトの上、となりに座った彼女に耳打ちするタイミングを計るのも、もうゲームの一部。
「寒くない?」って聞くフリして、
「あとで飲み行こうよ」までつなぐのが勝負やった。
ゲレンデマジックと財布の力比べ
ゲレンデマジックってのは、雪とゴーグルと夜景が演出してくれる奇跡や。
でも正直、奇跡を後押ししてたのはおいらの財布だった。
「泊まりにしちゃわない?」なんて軽口叩けるのも、
手に持つゴールドカードが背中を押してくれてたのかもしれん。
宿と心の確保戦
宿の予約は早い者勝ち。
でも一番シビアやったのは彼女の心の予約や。
「明日も一緒に滑ろう」って耳元でささやくとき、
おいらの脳内は滑走中のスキーヤーより高速で打算を巡らせてた。
$マークが描く恋のカーブ
ゲレンデに残るのはきれいなシュプール。
でもおいらの心に残るのは、
「あの晩、笑ってた彼女の横顔」と
「カードの請求額」やった。
そう、恋のシュプールは$マークで描かれてた。
あの頃は、真剣にふざけてたんやなぁ、おいら。
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