ある日、SNSを開くと「AI関連銘柄に今すぐ乗れ!」という投稿がタイムラインを埋め尽くしていた。インフルエンサーが煽る。ニュースサイトが追随する。AI生成の記事が雪崩のように流れ込む。
気づけば、すべてのメディアが“同じ原稿”をAIに書かせていた。そして投資家も、全員が“同じ行動”をとっていた。
まるでコピペされたような株価の乱高下。その裏で起きていたのは、「情報の独自性を失った社会」の縮図だった。
翌朝、みな同じ損を抱えて目覚める
人々が飛びついた銘柄は、一夜にしてピークを越える。早起きしても、利益を取れるのはごくわずか。気づけば誰もが天井掴み。
チャットではこんな声が飛び交う。
「あれ…俺も同じ記事読んだぞ」
「え、てかウチのAIもそれ書いてきたんだけど…」
「てかその見出し、みんな同じじゃね?」
株式市場は情報の非対称性が命。しかしAIによって全員が同じ“答え”にたどり着ける世界では、むしろ“誰よりも鈍感である”ほうが生き延びる。
イルカの登場:警告か、ただのギャグか
画像生成AIに「祭り、ドル紙幣、イルカ、AI銘柄」というキーワードを放り込んだ結果、現れたのがこの“奇跡の一枚”だった。
イルカが飛び跳ね、札束が舞い、スーツ姿の人々が怒りと驚愕の声をあげている。背景には提灯と出店。祭りなのか暴動なのか分からない。
この混沌にこそ、我々の今が映っている。
情報は“見る側”の問題になった
かつては「何を得るか」が勝敗を分けたが、今や「何を見ないか」「何に乗らないか」が重要である。
イルカは笑っている。札束の上で泳いでいる。
そしてあなたのAIも、今まさに「それっぽい記事」を量産している最中かもしれない。
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